保険治療をオススメできない理由、虫歯の取り残し

ダイレクトボンディング術前

術中

ダイレクトボンディング術直後

前歯ダイレクトボンディング症例を使って説明します。

患者さんは徳島からの30代男性です。昔、矯正治療していた際に虫歯となり、保険で治療を受けたが、今回キレイに治したいとのご希望により、ダイレクトボンディング5本を行いました。遠方から来院のため、来院回数を抑えたかったものの、1回あたり3~4時間治療で3日も掛かってしまいました。原因は、歯と同じ色である古いレジン除去に多大な時間を要したせいです。1本に30分以上掛かった歯もあり、よく見えるツァイス顕微鏡を使用しても、健全な歯質を残すためには少しずつ削るしかないので困難でした。レジンが残ってしまうと、その下に隠れている虫歯も発見できませんから、完全除去が必要となります。肉眼やルーペでは、出来なかったでしょう。

さて、ここで注目して頂きたいのが術中の写真です。治療初日に右上1、2番の古いレジンを除去して虫歯の染め出し(赤色)を行うと、症状は無いにも関わらず、いたる所に小さな虫歯が見えます。これらは新たに虫歯が出来たわけではなく、虫歯の取り残しです。なお、5本すべての歯に取り残しを認めました。取り残しがあっても、症状が出るまで患者さんは気付きません。レジンの下、もしくは銀歯の下、からゆっくり確実に拡がって行きます。

保険診療で十分な虫歯治療はできると誤解されていますが、保険診療の多くは制度上、短時間に一定の処置を行う仕組みになっており、限られた時間・器材・方法で行われた保険治療の内部は、実に毎回この状態です。1番見やすい前歯で、これだけの取り残しを認めるのですから、見えにくい奥歯がどれほど酷い状態であるか想像できると思います。事実、もっと大きく赤く染まる事ばかりです。また自費治療であっても、肉眼やルーペの場合、奥の深い部分に取り残しがあり、似たような状況に陥っていたりします。

しかし顕微鏡が登場した現在、当院では費用と時間は掛かりますけれども、見て納得のいく、顕微鏡による徹底的な虫歯治療が可能です。ご覧の様な画像を用いて、内部にどれくらい虫歯が残っていたかも詳細にお見せしています。患者数を限定し、常日頃ラバーダム防湿の上で1回120分ほどかけて、失敗しない様に丁寧な顕微鏡治療を行っているからこそできるものです。

虫歯治療は早さを選ぶか、質を選ぶかで歯の寿命が変わります。今だけを整えるのか、それとも長期的に守るのか。人生100年時代を考えた、歯が長持ちする選択をしませんか?

なお、費用については実際に口の中を拝見しないと分かりませんので、一度診察を受けてお聞き下さい。